昭和４４年１０月１５日　夜の御理解


　信心に立って、日々心配の無い不安のない生活を頂きたい。そういうところに願いがおいての信心で無からなければいかん。心配があるから信心しておるといったような信心がいつまでも続いてはならん。もちろん「心配する心で信心をせよ」と仰せられますから心配事はあります。ですから、心配事があるからそれをお願いする。後に改まって願う。そこにその問題は解決していないでも安心でけれるお繰り合わせを頂けれるようなおかげを頂きたい。
いつも、願いがそこになからなければ、とり越し苦労、心配。そのために様々ないわばあの手この手を使ったり、いわば人間心を使うて自分の心を暗くすると。いったような生活からお互い脱皮したような生活ができれるのが信心だと私は思うのですよね。一つそのために人間心を使わないですむ信心をさせてもらわなければいかん。お繰り合わせを頂いて心の上にどのような場合でも、力強いいわゆる生きかたと申しますかね、普通からいえば心配しなければおられないようなことの中にあっても、その心配を神様にお預けできるだけの信心を一つ頂かなければいかん。それにはね、改まって願わなければいかん。改まって願わせてもらうのでなからんとね、その、心の中にそういう安心が頂けんのですよね。　昨日もある、青年の人が母親の人と一緒に参ってきましたけれども、ね、もう本当に話を聞いてから、びっくりするようなとり返しのつかない事を、いわば、しでかしておるのわけです。
　まあ、いろいろと信心によって、ここまでおかげを頂いてきとりますのですけれども、ね、もうそのしでかした事というか、もう、出来た事は仕方がない。だからこれからは決してこういう事はいたしませんと言ったような改まった信心が出来るとね、改まるとその場から心が明るくなったり、心の中に信心頂いておる有り難さが頂けれるようになると私は申しておるのです。それが非常にその、信心はさほどに出来ていません青年でしたけれども、それが非常にその心に響いたのですね。なるほど、自分がとり返しのつかない失敗をしたけれどもこれからこういう事は決していたしませんと言う本当の腹が出来たらです確かにですね、心の中に暗い物がなくなって、今朝から、お願い今日その青年が出て参りましてからですね、もう、昨日と今日とはとは二人見るような明るい顔で、でてきておるのです。不思議ですね、もう（？）いたしませんという改まりが出来た時にですね、また、これがこのように親に心配をかけることがもう金輪際こんなことはいたしませんというようなものが出来たときに、本人自身が明るくなっておるのです。不思議な事。勿論その改まりが神様のお喜びでしょうし、また、神様も求めておられたのもその改まりでしょうし、その改まりに応えて神様がその青年に明るい心を与えられたのだと思います。
　自分で明るくなろうと思うても明るくなれませんけれども、例えばそのようなとり返しのつかないようなことであってもですね、もう本気で改まらせて頂いたらね、そこに暗い心は無くなる。明るくなると、心は。例えばそのところに伴う心配事はまあいくらもその問題に対してありますけれども、その心配すらが薄らいでなくなっておるといったような感じです。今日その青年が参ってみえられまして、ここでしばらく御用を頂いて帰りました。また、明日もおかげを頂きたい。まあ、今度はそういう事が繰り返されておるとその事によって、自分が信心にこれだけ打ちこめたと言う今度はお礼心すら出てくることになると思うです。
　不思議な事です。どういう例えば心配こと、どういうならとり返しの出来ない失敗をいたしましてもです、詫びれば許してやりたいのが親心と仰るのがよう分かります。済みません、済みませんと詫びただけではいかん。改まって済みませんが出来た時にです、もう、心の中はいわば、明るくなっておるです。もうこうして生き消沈しておることもいらなければ、暗い心をしておく事も。改まると言うことはそんなに素晴らしいこと。ね。そう言う意味でですね日々安心して生きていけれる生活を求めての信心でなからなければいけない。それには人間心が一番つまらん。
　人間心を使うて思惑をする。人間心を使うてあの手この手を使う。そして、その心配を少しでも少なくしようとするようなそういう手段を使わずに、それこそ、あの手この手を使うて神様へ向こうていくのでなからなければいかん。そして、改まって祈らなにゃいかん。ね。心から詫びなければいかん。勿論、お詫びをさせてもらうと言うことは改まって詫びなければならない。詫びれば許してやりたいのが親心と仰るその許されたその姿が私共に反映してくる。そして例えば昨日と今日とは二人見るように、心が明るくなっておるその少年の実例のようにですね、確かに、改まって、詫びたら心は明るくなるはずです。　もし心の中に心配がいつまでも残っておるならあんたが改まらんなりに願いよるけんたいという事になります。あんたが改まらんなりに口だけでお詫びをしよるけんと言うことになります。改まって詫びたり改まって願うところから、おかげが頂けれるもんですよね。心の上にも形の上にも同じ事が言えれる。　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どうぞ